2012年05月16日
【Tips】電子工作でよく使う『QIコネクタ』の圧着方法
QIコネクタは、2.54mmピッチのヘッダーピンに接続して使用する、電子工作でもおなじみ汎用コネクタです。「2550コネクタ」ともいわれます。
電子工作以外でも、自作PCの内部配線用のコネクタとしても使用されており、実にワールドワイドで活躍している汎用コネクタなのです。
QIコネクタを使用するには、コンタクトピンの”圧着”という工程が必要になります。
圧着の経験がない方には、なにやら難しそうなイメージがあると思いますが、
実はカンタンにできます。
今回は、QIコネクタの圧着方法をご紹介します。
精密圧着ペンチ「PA-20」
圧着するのに必要な工具、それが「圧着ペンチ」と呼ばれるものです。今回、圧着工具はエンジニアの精密圧着ペンチ「PA-20」を使用します。
コンタクトピン
QIコネクタに関わらず大抵のコンタクトピンは、芯線圧着部と被覆圧着部の2ヶ所を圧着します。
芯線部と被覆部の2ヶ所に分けて圧着方法をご紹介します。
ワイヤーの被覆を剥く
コンタクトピンに圧着するためにワイヤーの先端の被覆をワイヤーストリッパーを使用して剥いて芯線を出します。
芯線の長さは、コンタクトピンの芯線圧着部ぐらいか、それより短くならない程度の長さを目安にしてください。少し長めでもOKです。
QIコネクタで使用するワイヤーは、AWG26ぐらいが圧着もしやすく最適です。
圧着ペンチを使用する
圧着ペンチ「PA-20」の1.6mmのダイス(圧着する型)にコンタクトピンの芯線圧着部をダイスに対してまっすぐにセットします。
芯線圧着部の後端と、圧着ペンチのダイスサイズが書いてある面がほぼ一致するぐらいの位置がベストです。
圧着する
ワイヤーの被覆が芯線圧着部の後端に当たるようにワイヤーをコンタクトピンにセットします。被覆が芯線圧着部に入りこんでしまうと、コンタクトピンからワイヤーが抜ける原因となりますので注意してください。そして、圧着ペンチをしっかりと握ってかしめます。あまり力を入れすぎるとコンタクトピンがくの字に曲がったり、力が弱すぎると圧着後にコンタクトピンからワイヤーが抜けてしまいますので注意してください。
圧着後
圧着ペンチで圧着された芯線圧着部は、内側に巻き込む形で圧着されます。圧着後のチェックとして、コンタクトピンをほんの軽く引っ張る(強く引っ張るとコンタクトピンが抜けます)か、下に向けて軽く振ったときにコンタクトピンが抜け落ちなければ大丈夫です。
被覆部の圧着
被覆圧着部で配線材の圧着をします。
左の写真は、専門業者が専用機械で圧着したものです。被覆部の圧着は、芯線部の圧着と違い被覆に沿うように丸く圧着されています。PA-20のダイスは全て内側へ巻き込むように圧着する構造になっているので丸く圧着はできません。そこで、2.3mmのダイスと圧着ペンチの先端部を利用して、被覆部の圧着を行います。
まず圧着ペンチの2.3mmのダイスを使って被覆圧着部を軽く内側に曲げます。
圧着ペンチを軽くゆっくり握っていくと、被覆圧着部が軽く内側に曲がったところで圧着ペンチに”カクン”という振動が伝わります。
圧着ペンチの先端を使って、被覆圧着部を上下左右に形を整えながら、軽く締めていきます。
まずは、コンタクトピンの横方向から軽く締めます。
同じく、コンタクトピンの上下方向を軽く締めます。
再度、コンタクトピンの横方向から軽く締めると、被覆部の圧着が完了します。
形をしっかり整えないと、ハウジングに挿入しにくくなります。
コンタクトピンをハウジングへ挿入
コンタクトピンをハウジングに挿入する際は向きがあります。
コンタクトピンの圧着された面と、ハウジングの四角い窓が開いている面の方向を合わせて挿入します。
コンタクトピンをハウジングに挿入したとき、2回『カチッ』と音がします。
これは、ハウジングのロック機構がコンタクトピンをロックした時の音です。
コンタクトピンをハウジングから引き抜く
ピン数の多いQIコネクタの場合、ワイヤーを信号線ごとに色分けをして使用するのが一般的ですが、例えば「2番ピンは赤色ワイヤーなのに誤って3番ピンの橙色ワイヤーを挿入してしまった」などといった場合、コンタクトピンをハウジングから引き抜いて挿入しなおしたいと思うのが人情です。
そこで、コンタクトピンをハウジングから引き抜く方法をご紹介します。
ハウジングのロック板を引き上げる
ハウジングのロック板を極細ピンセット等、先の細い物でほんの軽く引き上げながら引っ張ると、ロックが外れてコンタクトピンが引き抜けます。この時にロック版を強く引き上げたり、引き上げすぎるとロック版が折れたり、ロック版が元に戻らなくなりハウジングが再利用できなくなる場合がありますので注意してください。
ハウジングのロック板を引き上げたときに、ロック版が浮いてしまった場合は、中へ押し込んでください。
一度コンタクトピンを引き抜いたハウジングは信頼性が低下しますので、再利用する場合はその点をご留意ください。
QIコネクタ(1列タイプ)
QI-1(1P):¥15- , QI-2(2P):¥15-
QI-3(3P):¥20- , QI-4(4P):¥20-
QI-5(5P):¥30- , QI-6(6P):¥35-
QI-8(8P):¥50- , QI-10(10P):¥60-
QIIコネクタ(2列タイプ)
QII-4(2P×2列):¥30-
QII-6(3P×2列):¥50-
QII-8(4P×2列):¥50-
QII-10(5P×2列):¥60-
誤挿入防止キー付きQIコネクタ
ソケットハウジングQi-3K:¥20-
プラグハウジングQi-3KAD:¥30-
QIコネクタ・ソケット用コンタクトピン 5本入り:¥50-
QIコネクタ・プラグ用コンタクトピン 5本入り:¥50-
QIコネクタを使ったブレッドボード配線用、QIコネクタ同士の接続に最適です。
誤挿入防止キー付きプラグハウジング「QI-KAD」のコンタクトピンとしても使用可能です。
ヘッダーピン各種
2P:¥10- , 3P:¥15- , 4P:¥20-
5P:¥25- , 6P:¥30- , 8P:¥40-
10P:¥50- , 14P:¥70- , 20P:¥100-
32P:¥160-
40Pタイプ(お好みのピン数に折って使用も可能です。)
40P:¥200-
L型40P:¥200-
40P×2列(80P):¥300-
L型40P×2列(80P):¥200-
精密圧着ペンチ「PA-20」 販売価格:¥3,995-
4つのダイス(幅1.6、1.9、2.0、2.3mm)を使い分ける事で2.5mm~5mmピッチ相当までの端子の圧着に対応、ワイヤーはAWG28~18まで対応し、100種類以上に及ぶ小・中型コンタクトピンの高精度な圧着が可能です。
▼QIコネクタシリーズ各種はコネクタ売り場にて販売中!
▼ヘッダーピン各種もコネクタ売り場にて販売中!
▼精密圧着ペンチ「PA-20」はコネクタ売り場の側面で
▼吊り下げ販売中!
共立エレショップに掲載されておりますので通販ご希望の方はご利用ください。
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ヘッダーピン各種